札幌市白石区の創業・起業の経営に強い税理士事務所です。
令和5年10月よりインボイス制度が始まりました。
前回の記事でインボイス制度が起業後すぐに影響してくることをお話ししました。
今回は創業後に誰も教えてくれないインボイス開始後の重要項目をお話しします。
これを知っているのと知らないのでは増えるお金が数十万・数百万となってきます。
(目次)
1.インボイス登録をしないから安くしようは間違い
2.一度決めた価格を定期的に見直す重要性
3.どうしたらできるだけ高く買っていただけるかを考えること
1.インボイス登録をしないから安くしようは間違い
インボイス制度が始まったとはいえ、いきなりインボイスを発行する課税事業者にならなくてもよいと思います。
実は取引先がインボイスに登録していないからといって、影響のない取引先もいるのです。
その話はこちらの記事をご覧ください。
インボイス開始前から次のような話を耳にすることが増えてきました。
「取引先がインボイス登録をしないから10%分値引くと言っている」
「インボイス登録をしないから消費税記載をなしにして10%安くする」
これはすでに事業を何年もやっている経営者の話です。
創業・起業したての会社が言っている話ではありません。
残念ながら私たちのお客様ではないのでどうしてあげることもできないのですが、こうした会社は先行きが厳しくなってくるでしょう。
なぜなら、経営的に次のような問題を抱えてしまっている会社だからです。
①目先のことしか考えずに情報を集める前に簡単に値下げしている
②値下げをすれば仕事が維持できると勘違いしている
③交渉力がないことをあきらめている
これは経営者が陥りやすい罠です。
インボイス登録をしないことで仕事をもらったとしても、安いから仕事を出してもらっているという立ち位置になります。
仮に売上が1,000万円を超えたときに消費税を含めて価格交渉できるかどうか怪しくなります。
消費税が発生した時には、納税という形でお金が外に出ていくことになります。
消費税率5%の時の2倍の消費税の納税資金が出るわけです。
結構な額になります。
感覚的には40万以上のお金が出ていきます。
このお金が無くなるならもっと仕事が欲しいと考えていくと、安くたくさん仕事をするしかない状況になります。
だって、安売りで選ばれているのですから。
この負のスパイラルに入りやすくなるので、インボイス登録をしないから安くするという考えは捨ててください。
私たちの記事を読んでいただいている方には失敗してほしくないからです。
2.一度決めた価格を定期的に見直す重要性
もう一つ大事なことがあります。
一度付けた価格を放置しないでください。
物価が上がってどうしようもなくなる前に値上げができた会社と未だに値上げができないで赤字を膨らませている会社があります。
日本は長期間デフレ経済といわれていました。
物の値段は上がらないものでした。
創業・起業したての頃にはわからないことが多いのですが、長く事業をやっていくと価格は据え置きが当たり前という習慣が身についているはずです。
特に起業する前は一消費者としての目線で見ていたと思います。
価格が上がらないのはうれしいものだと。
でも、事業をする側になった段階でこの考えは捨ててください。
そうしないと、仕入れが上がっても、物価が上がってもあなたの利益を削って売上の数量を維持しようとしてしまうからです。
価格は定期的に見直すという習慣を身に着けてください。
そうしないと、赤字になるのが他社よりも早くなり、銀行融資も他社よりも悪い条件で借りることになります。
もしかすると、資金調達のできない会社になってしまうのです。
3.どうしたらできるだけ高く買っていただけるかを考えること
価格決定は経営者としてのあなたの大切な仕事です。
これを間違った段階で、いくら仕事をしても儲からないことが確定するからです。
逆に価格決定をするだけで利益が出せる会社にもなります。
価格を決めたら「どうしたらその価格で買っていただけるか」を必死に考えてください。
その価格で売らなければあなたの会社は赤字になってしまうのです。
こういう考え方を最初から覚えておくことで、やるべきこと主義になれます。
目の前の作業を一生懸命するのではなく、どうしなければならないかを考え実践していくのです。
今のあなたの商品は本当はいくらで売りたいですか?
どうしたらその値段で買ってもらえるようにできますか?
それをいつまでに実施しますか?
最初からこの行動パターンでやっている経営者は開業時から急激に成長しています。
私たちの創業支援は融資のための計画書ではなく、このどうやったら高く買っていただけるか・どうやって売るのかを考えていただきます。
私自身が創業時に知っていたらよかったのにと思うことを、すべてお話ししております。
もしも、インボイス登録で悩んだらぜひご相談ください。
相談電話:011-858-7007
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