創業時の経営の話

起業・創業するなら「個人事業主VS法人設立」

札幌市白石区にある経営に強い千葉税理士事務所です。

起業・創業するとなると「個人事業主」で起業するのか・法人設立をして起業するのかは永遠のテーマです。

なぜこの2つで悩むのかを含めてみていきましょう。

(目次)

1.起業=最初は儲からないが前提だから悩む

2.消費税の2年免税も大きなメリットだった(インボイスが始まる前は)

3.結局、個人事業主と法人どっちがいいの?

1.起業=最初は儲からないが前提だから悩む

起業する人や法人設立で事業を始めようとする場合、創業したての1期目は儲からないことを前提としていると思います。

よく「設立1期目は赤字が普通です」という話を耳にします。

実際に過去の経験上設立1期目から黒字で莫大な税金を払った人は・・・・「ごく少数いました」が、一般的には少ないかなと思います。

法人にするべきか個人事業主で始めるべきかという悩みのポイントは次の2つになります。

①個人事業主と法人のどっちが手残りが多いの?

②消費税の免税を最大4年取ることができたほうが得なのでは?

②の消費税のくだりは、次項でお話しするので個人事業主と法人のどちらが得かという点を見ていきましょう。

税金の損得だけであれば、弥生会計で提供しているサイトで計算してみたらよいと思います。

(参考)かんたん税金計算シミュレーション

このサイトでは法人税と所得税の違いを出してくれるらしいです。

社会保険料と利益に対する国民健康保険料の比較まではできないようなので、ご自身でそこは計算する必要があります。

設立1期目は徐々に営業をして売上をあげるというスロースターターな感じをイメージした場合、利益はそれほど残らないことになります。

すると、法人設立費用も社会保険料もかからないので個人事業主の方が得になることが多くなると思います。

所得税はたくさん稼ぐと税率が高くなります。

こんな感じです。

課税所得金額

課税される所得金額① 所得税+住民税=税率② 給与年収目安金額③
1000円~195万円未満 5%+10%=15% ~年収440万くらいまで
195万円~330万円未満 10%+10%=20% ~年収650万弱くらいまで
330万円~650万円未満 20%+10%=30% ~年収1,000万円超くらいまで
650万円~900万円未満 23%+10%=33% ~年収1300万円弱くらいまで
900万円~1800万円未満 33%+10%=43% ~年収2200万円超くらいまで
1800万円~4,000万円未満 40%+10%=50%

個人事業の場合は、自分に対する給料は経費にならないので利益が出たら税金に跳ね返ってきます。

利益の調整をする方法があまりないのが個人事業主の特徴です。

その代わり、利益が少ないときの税率は法人税よりも低くなっています。

開業してすぐになかなか伸びないと考えると、税負担だけ見ると個人事業の方が有利ということが多くなります。

課税される所得の金額に113万円足したものが事業の利益と思ってみていただけると、法人の役員報酬でとった場合の税率とバランスします。

650万円(税率)33%の場合は、650万円+113万円=763万円が個人事業の場合の事業の利益で、役員報酬としては1,000万円の人と同じくらいの税金の目安ということです。(ややこしくなるので国保と社保の比較は抜いています)

2.消費税の2年免税も大きなメリットだった(インボイスが始まる前は)

個人事業で開業した場合、個人事業として最初の2年間は原則消費税がかかりません。(消費税免税)

その後個人事業を廃業して法人設立をして法人としての開業をすると、法人として2期消費税免税ができます。(例外アリ)

個人と法人は同じ業務を続けているのですが、個人事業と法人の期間があります。

そのことで、一つの事業に対して最大4年間の消費税免税期間ができるということになります。

消費税の免税期間は消費税対象の売上でもらった消費税相当額が消費税として納めなくてよいことになります。

仮に、2年間で6,000万円+消費税分600万円(10%)=6,600万円の売上があったとします。

消費税を納める事業者であれば預かっている600万円を基に消費税の計算をします。

実際には簡易課税という計算方法であれば、預かった消費税に一定の割合を掛けた金額をのうぜいしますし、本則課税の場合は自分が支払った経費や設備投資に含まれている消費税を差し引いて税額を計算します。

消費税の計算方法が複数あるので、どれで計算するかで税額が変わってしまうので実際の事例がなければ税額を出すことができません。

一般的な感覚では2年間で納める消費税は60万円~300万円くらいだと思います。

これが個人と法人の両方で発生したらかなり大きな金額になります。

消費税免税を最大限生かして起業をしたいということで個人事業で開業する方もいらっしゃいます。

ただ、今回のインボイス制度の影響で個人事業でも開業段階から消費税の課税事業者としてスタートする方も出てくると思います。

3.結局、個人事業主と法人どっちがいいの?

結局、個人事業で開業したほうがよいのか法人で開業したほうが良いのかですよね。

目的によって決めることが一番良いと思います。

もし、個人事業でスタートできる状況であれば個人事業からスタートして、お金をためて法人にした方が良いと思います。

①資本金として出せるお金はあるか?

自己資金として300万円以上ある➡法人でスタートしてもよい

自己資金が100万円以下➡できれば個人事業で開業

自己資金が少ない場合、法人であれば債務超過という状況になりやすくなります。

会社が赤字を出すと、資本金を削ってしまうようなイメージになります。

逆に黒字を出すと、資本金に過去の利益を加えて資本力が強くなります。

銀行は資本力のある会社が好きなので、赤字が続いて資本の部分がマイナスになると融資が難しくなります。

この資本の部分がマイナスになった状態を債務超過といいます。

資本金が小さいスタートだと、ちょっとの赤字で債務超過になってしまうので資金調達が難しくなっていくということです。

②正社員を雇用してスタートするか否か

個人事業主と家族だけでスタート➡個人事業で開業

他人の正社員がいる状態でスタート➡法人でスタート

正社員を雇用する場合、社会保険に加入してあげたいと考える方が多いです。

正社員募集の段階で社会保険がない会社が選ばれにくいということもありますが。

個人事業主でも社会保険に加入することはできますが、社長とその家族は社会保険に入れません。

自分も社員も社会保険に加入したいということであれば、法人での起業一択になります。

また、建設業で社会保険加入が条件の現場に入る場合なども基本的には法人での設立スタートになります。

社会保険の負担は重いので、加入するからには売上・利益を個人事業以上に出さないと赤字になります。

③取引の信用を高めてスタートしたい

取引相手が大手が多い➡法人でスタートになることが多い

取引相手が小さな会社➡個人事業で開業できる

これはこちらが損得で考える話ではない問題です。

相手が気にしていて、法人にしなければ取引しないといわれたら法人一択になります。

法人でのスタートは社会保険の問題が大きくなるので、本当に最初から売上を意識していかなければなりません。

 

もしも、個人事業での起業か法人での創業かで悩まれているのであれば今すぐご相談ください。

電話番号:011-858-7007

 

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